第24回 奥熊野いだ天ウルトラマラソン

　2024年4月21日開催、第24回奥熊野いだ天ウルトラマラソンに出場してきました。
　今回はその備忘録を記そうと思いますが、結果は「42km地点で棄権」となりました。
　いだ天はこれで５回完走４回棄権ということになりましたが、過去一番短い距離での棄権となりました。残念です……。
　まぁ、仕方がないですな。去年から引き続いてアキレス腱炎、坐骨神経痛、そして風邪をひくという悪い流れで練習不足。最長で37kmしか走っておらず。加えて夜勤で連日の寝不足につき疲労蓄積。そして体重増量(笑)！！
　こんな状態だったので今回は「行けるところまで行こう」という気持ちで出場しました。
　もう気持ちが最初から負けとるな……。
　それでは大会を振り返って行きましょう。

　大会当日午前２時半に起床。歯を磨いて顔を洗い、すっきりしてから朝食。
　個人的な大会当日の定番、赤飯とみそ汁、そしてバナナで朝食を済まします。
　準備を整え、ホテルは午前３時50分に出発。
　バスに揺られてスタート会場の那智へ。荷物を預けて那智の滝前へ向かいます。

　午前４時半ということで、まだ辺りは暗いのですが、ライトアップされた那智の滝が荘厳な迫力でランナー達を迎えてくれます。そして事前に渡されていた護摩木を焚き火にくべて完走祈願。ちなみに護摩木には願い事が掛けるのですが、今回は「家内安全」と記しました。ただ最初、間違って「家内安金」と書いてしまったのは内緒です(笑)

　さて、スタート前には迫力満点の熊野太鼓でランナー達を鼓舞してくれます。これ、本当に素晴らしかったです。そしてボーっとしていると、ラン友のうーやんさんが声を掛けてくれる。うーやんさんに「坐骨神経痛ですわ」とリタイヤ前提の弱音を吐けて、少し気持ちが楽になりました(笑)

　こうしてうーやんさんとお喋りしていたら、いよいよスタート時刻に。
　主催者の関さんのカウントダウンが始まり、ランナー達も手拍子をしながら一緒にカウントダウン。そしてスタート！

　那智の滝を背にし、ランナー達が那智の大社の石段を登っていきます。先頭のランナーさん達は駆け上がって行く中、真ん中辺りにいた私はゆっくり、一歩一歩と確認しながら段差に気をつけて登っていきます。

　石段が終わり、すぐに下り。しかしこの下りは距離合わせでして、すぐに折り返して上りが続きます。ここからはずっと上り。なかなか酷いです(笑)
　さて、上っている最中、うーやんさんの背中が見えたのですが、どんどん離されていきます。まぁ、ここはマイペースでいきましょう。周りを見渡しましたが、知り合いのランナーさんは発見できず。去年、いだ天を初完走したひでやんさんも出ている筈なんですが先行しちゃっているかなぁ。ちょっと寂しさを感じながら(笑)、どんどんコースを進んでいきます。
　ゆっくりペースでキロ７分くらい。早朝なので気温は低い筈なんですが、汗が全身から噴き出します。天気が雨予報だったので、冷え対策にファイントラックを中に着込んでいたのですが、それが影響していたようで暑い……。
　早くも携帯していたボトルのポカリをぐびぐび飲みながら進んでいきます。
　そして第一エイドの見晴らし台に到着。水分を頂いてすぐに出発。

　ペースを崩さずに上っていきます。
　ちなみに坐骨神経痛の方は問題なし。大会前まで毎週一回、接骨院に通っていたので、そのおかげでかなり回復していました。ただスピードを出したら危険なので、とにかくのんびりと進んでいきます。
　そしてようやく上りが終わり、第２エイドの那智高原公園に到着。バナナを頂き即出発。

　ここから下りが続きます。ここでキロ７分で進んでいたのに、調子こいてキロ５分半程で下ってしまう。ただ痛みは出なかったので、そのまま行こうかと思いましたが、若干速度を落として下っていきます。その途中で一人のランナーさんに声を掛けられる。
　去年、最後の上り坂で声を掛けてくれたランナーさんでした。ゼッケンに「いいね」と書かれていたので、ここでは「いいねさん」と呼びましょう。あや、もしかして「いいよ」だったかな？
　いいねorいいよさん(笑)と少し話した後、「下りが得意だから」と言って、素晴らしいスピードで下って行きました。背中が速攻で小さくなり、ほんま速かった！
　こちらはキロ６分を切るか切らないかといった速度で進んでいきます。

　そして第３エイドの南平野三差路に到着。ここからも下りが続きますが、個人的に序盤で一番好きなコース。毎年ここで調子が上がって来て、スピードが上がったりするのですが、今年は駄目でした。まだ15km程度なのですが、めっちゃしんどい……。
　やはり練習不足が祟っているのでしょうかね。汗もかなりかいて、帽子は被らずに手に持って走っていました。暑い……。
　そしてエイドに到着し、バナナと水を頂いてスタート。

　下りなのでキロ６分程度で進んでいましたが、周りのランナーさんは下りの勢いに乗って良いスピードで走っていきます。なのでここでバンバン抜かされていく。とは言え焦らず、ここはマイペースを貫いて下っていきます。
　そしてようやく下りが終わり、21.7km地点のエイド・井鹿会館に到着。

　ここでイチゴを頂きましたが、これが本当に美味い！　瑞々しくて頬張ると甘さが口の中に広がります。
　イチゴを２個頂きまして出発。ここからは平坦なコースを進んでいきます。
　ペースはキロ６分半程度。平坦なんですが、速度が上がらない。ちょっとしんどい……。
　そして続々と後続のランナーに抜かれていきます。
「みんな、速くない？」
　そう思いつつ、マイペースを貫こうと進んでいきます。すると背後から「パルさん」と声を掛けられる。振り返るとチャイさんでした。
　チャイさんは去年、中盤までペースも同じでゼッケン番号が連番ということで声を掛けさせてもらったランナーさん。後で知ったのはラン友のおひょいさんと知り合いだったこと。う～む、世間は狭い(笑)
　チャイさんの走りは順調そうでしたが、これまで絶不調だったそうで、あまり距離を踏む練習が出来ていなかったそうです。なので今回はとにかく立ち止まらずに進む方針で走るとのこと。う～む、リタイヤ前提で走っている自分とは大違いの心意気です……。

　さて、24.2km地点のゴルフ練習場エイドに到着。ここでは名物のめはり寿司、そして搾り立てオレンジジュースを頂けます。両方とも美味しいのですが、この組み合わせはどうなんでしょうね(笑)　めはり寿司にお茶が欲しい所です。わがままですね、すいません(苦笑)

　補給をしている間にチャイさんは先へ先へと進んでいきました。
　私はのんびりマイペースを貫いて進んでいきます。
　田園風景の広がる長閑なコースを走り、26.9㎞地点の中里会館エイドに到着。
　正直、この時点でしんどくなっていました。明らかに体力不足です……。
　水分だけを補給し、次のエイドを目指して進んでいきますが、ちょっと歩きを入れたりもしました。この段階で歩きが入るとは……。
「準完走できたら一番良いのだが」とか考えながら走ります。ちなみに準完走とは奥熊野いだ天の特別ルールでして、第２関門の61.2km地点で「完走が難しい」と感じたランナーは「ショートカットを選択できる」という救済ルールがあるんですねぇ～。出来るだけ多くの人にゴールテープを切って欲しいという、大会本部の粋な計らいです。
　坐骨神経痛の調子が良かったので、ゆっくりペースで準完走を目指せたらと思っていたのですが、坐骨神経痛よりも体力不足で走るのが難しくなってくるとは……。
　少し歩きを入れつつも進み続け、ようやく29.1km地点の長井集会所に到着。
　ここでは事前に預けていた荷物を受け取ることが出来ます。
　預けていた荷物として、補給食を色々用意していたのですが、この時点で少し気持ち悪さを感じていたのでジェルを少しだけ口にするだけに留める。食べると吐きそう……。
　と言う訳で胃薬を用意していたので、それを飲んだのですが、余計に気持ち悪くなる(笑)
　まぁ、効果が出てきたら吐き気も治まって行くはず……。

　そんな感じであまり補給はできずにエイドを出発。
　ここから２km程で次のエイドなので、頑張って進んでいきましょう。
　てくてくとスローペースで進み続けて31.5km地点の出合橋エイドに到着。ここにはうーやんさんの奥様と、毎年叱咤激励をしてくれる女神オオヤ様が待ってくれていました。お二方に声を掛けてもらい元気をもらいます。

　100kmを走るならこのエイドにはまた戻って来ることになるのですが、今回は戻ってこれそうにありません……。さようなら～(涙)

　さて、出合橋エイドを過ぎた辺りから左脚が全体的に痺れてきました。
　ゲエエェーーーッ！　ここにきて坐骨神経痛の影響か？
　ちょっと脚が上がらず、普通に走るのが少し難しい。スローペースで良いので走ろうとするものの、なんかバランスを崩すような感覚に陥り、平坦な道で転倒しそうになる。
「これは終わった」
　そう感じてここから歩き続けることに。ここからは散歩だ！！

　と言う訳で歩き続けました。もちろんどんどん後続ランナーに抜かれていきます。
　ただ悔しさとか情けなさとかはなく、当然の結果かなと思いながら進んでいました。
　やはり練習は嘘をつかないです。完全に練習不足。
　そして最初からリタイヤを考えていた時点で駄目でしたね……。

　この時の自分の気持ちを表すかのように雨まで降って来ました。
　しとしと降る雨の中を歩き続けて西中野川トンネルエイド、熊瀬川エイドは抜けたものの、次の久保さん宅エイドでリタイヤを宣告したのでした。
　この地点は42kmということで、大体フルの距離を走れたので個人的には満足でした。
　ちなみに恒例のゲゲゲですが、ちゃんと熊瀬川エイド(39.5km地点)の直前で吐いていたのでご安心ください(笑)

　結果……42km地点で棄権(ここまで５時間51分48秒)

　以上が第24回奥熊野いだ天ウルトラマラソンの備忘録となります。
　正直、坐骨神経痛がどうなるのか不安だったので、フルまで行けて良かったと思います。
　ただ自分自身に落胆したのはゲゲゲをしたことですね(笑)
　あんなゆっくりペースで何で吐くかね……。
　まぁ、結局は準備不足が要因だと思います。それは練習不足も含まれますが、体調を整えることを怠っていたと思います。冒頭で述べたように寝不足、疲労蓄積、体重増加が一番の原因かと思いました。
　また来年の奥熊野までの一年、ちょっと真剣に生活態度を改めて体調を整えていきたいと思います。

　以上、ここまで読んで頂き、ありがとうございました！
　次の大会予定はないので、次回からまた過去の振り返りを行っていきたいと思います。