第27回 村岡ダブルフルに出場 その③

　～さらば村岡、また来年～
　前回からの続きです。前回は蘇武岳頂上のエイドを出発した所まででしたね。
　書き忘れていましたが、このエイドでひできち(みるみる)さんと出会っていました。
　ひできちさんは例年と変わらない様子で至って冷静沈着。落ち着いた様子でエイドを楽しまれていました。
　さて、そんな蘇武エイドを出発しまして、折り返し地点を目指して進んでいきます。
　どうも吐き気が来ているようですが「無視無視」とつぶやきながら進んでいきます。
　さて、次のエイドは4km先の39.8㎞地点の蘇武神鍋口です。蘇武の頂上まできつい上りが続き、頂上に到着したのでもう上りは無いぞ～と思った大間違いでして、ここからもアップダウンの繰り返し。結構きつい傾斜の坂道があったりすんですよねぇ。いや、もう心折れそう。
　なんとか神鍋口エイドに到着。ここでは水を補給し、それからミニどら焼きみたいなお菓子を頂きました。このお菓子が効いたのか、少し元気が出て走ることが出来ました。
　しかし次のエイド、43.75km地点の白菅の途中辺りで吐き気に襲われる。
　これはもうゲゲゲした方が楽になるかもと思いましたが、まだ我慢できそう。無理に吐く必要は無いので、気持ち悪さを感じながらも進んでいきます。吐き気がおさまらないかなぁ～と歩きを入れたりしましたが、効果はあまり無かったですねぇ。
　かなりスローなペースで進んでいき、途中雨に降られて濡れ鼠になりながらも何とか折り返し地点の白菅エイドに到着。ここでは何と「但馬牛の焼き肉」が振舞われます。

　しかしゲゲゲ寸前の身にとっては焼肉の匂いがかなりきつい。更に気持ち悪くなり、吐き気がクライマックスです(笑)
「うま～！」「うま～！」と但馬牛を堪能されているランナーさん達の前でゲゲゲをしたくはない。ここではもう何も補給せず、折り返しを終えて再び神鍋口を目指します。
　ここからはもう歩きです。とぼとぼと進んでいると、前方からやって来るランナーさん達が「肉や肉や～！」と連呼しながら焼肉エイドを目指しています。その姿を見ながら「俺は魚派やからな！」とつぶやき、但馬牛を味わえなかった自分を慰めていました(笑)
　そして歩き続けて神鍋口の１km手前ぐらいでついに限界に達します。
　脇道に寄ってしゃがみ込み、思う存分ゲゲゲしました……。
　これでスッキリして吐き気もおさまり、スローペースですが走ることが出来ました。
　そして神鍋口エイドに到着。何か補給しようと思いましたが、補給食にも水分にも手が伸びません。また吐き気です……。
　とりあえず何も補給せずにエイドを出発。これが駄目でしたかねぇ……。
　走るとすぐに吐きそうだったので、再び歩きだけで進んでいきます。
　雨は小雨になったり強く降ったりの繰り返し。気温も天気予報では20℃となっていましたが、標高が高くてこの天候なので更に低そう。その為どんどん身体が冷えて震えが出る始末。両手で上半身を抱え込むようにして少しでも体温を奪われないようにします。
　そんな自分の姿を見かねたランナーさん達が「大丈夫ですか？」「冷えますか？」と心配の声を掛けてくれました。何人かには「ちょっと吐き気にやられて。ぼちぼち行きます」と答えていたのですが、途中から「次のエイドでやめるので、そこまで頑張ります」と答えている自分がいました。
　自然と心が折れたんでしょう。ペース的には上りがあってもキロ11分程度で進めていたので、制限時間には余裕で間に合いました。しかし震えが止まらず、これは危険だと思いこんだんでしょう。次のエイドでリタイヤすることを躊躇なく選んでいました。

　ちなみにコースは上の写真のように霧がかかって前が見えません。まるでサイレントヒルの世界です。こんな中をとぼとぼ吐き気と寒さを我慢しながら歩いていたせいか、眠気にも襲われてふらふらしながら歩いていました。そりゃランナーさん達から声を掛けられるよねぇ。危なっかしくて見ていられなかったのでしょう。今振り返ると追い抜かされる際に大半のランナーさんに声を掛けられていましたね。う～む、優しい世界だ……。
　ちなみにこの復路区間でひでやんさん、ひできちさんと再会。二人とも元気そうで、完走を確信しましたよ(実際完走されている)

　とぼとぼ進み、ようやく蘇武岳頂上エイドに到着。ここでリタイヤを告げました。

　2024年 第27回 村岡ダブルフルウルトラランニング 64km部門
　52km地点でリタイヤ

　以上が今回の結果となりました。
　う～む、残念ではありましたが、リタイヤを告げた時は「まぁ、当然だな」と素直に納得していました。やはり練習不足でしたね。全然走れる身体ではなかったのだと思います。
　まぁ、そこら辺の対策と改善に関してはまた考えるとしまして、話をリタイヤした時点に戻します。

　スタッフの方にリタイヤを告げると回収バスに案内されました。
　バスの中に入ると暖房が効かされており、保温シートとアクエリアスを手渡されました。保温シートはありがたかったですねぇ。冷えた身体が温もって行きましたよ。

　さて、そんな回収バスの中、座席に腰を下ろすと隣から「パルさん」との声が。
　げえええーーーーー！！！！
　こんな偶然が！！
　ゲロ仲間の「えみっち」さんでした(笑)
　いやぁ、こんなことがありますかねぇ。まさか同じ地点でリタイヤをしていたとは(笑)
　えみっちさんは序盤から吐き気に襲われたようで、折り返し地点までは進まず、往路でのリタイヤとなったようです。いやぁ、お互い何の因果でゲロに悩まされるのか……。
　しかしこのえみっちさんとお会いできたことは嬉しかったですねぇ。お互いがどのようにリタイヤすることになったのかを話したのですが、ほとんど自分と同じような流れだったので、もう色んなことで共感できました。
　ここに一人の女性スタッフの方が加わり、村岡についてトーク。
「村岡と相性が悪いんですかねぇ？」
「村岡の水が合わないとか？」
「村岡に縁が無いんですよ？」
　そんなことを立て続けに言われました(笑)
　いやぁ、縁が無くても村岡は好きなので来年も出ると思います！

　そんな具合に回収バスの中は楽しい時間を過ごすことが出来ました。　
　それだけが今大会の収穫だったと思います(笑)

　

　さて、バスの出発の時間になったのでお喋りはここまで。
　バスの揺れでまた吐くかもしれないのでお互い眠ることにしました。
　そうそう、バスの中で吐いても問題が無いように、えみっちさんが運転手さんに「この二人、吐くかもしれないのでビニール袋もらえませんか？」と言ってくれたのはナイス判断でした。なぜならそのもらったビニール袋が後で役立ったからです(笑)
　いや、バスの中では吐かなかったんですよ。バスの中では寝ていましたから。
　そしてゴール地点の村岡小学校に到着し、えみっちさんとは「またどこかでお会いしましょう」とお別れ、そしてバスからおりて１分後くらいにゲゲゲ！！！
　いやぁ……、ビニール袋が無かったら道端にぶちまけていました(苦笑)

　その後、先にゴールしていたいっちーさんと合流。
　いっちーさんは去年より早いタイムでのゴール！　さすがでした。
　体育館で着替えて少し休んでいましたが、まだ吐き気は残っていました。
　なんとか着替えて会場へ向かい、何人かのラン友さんと再会して談笑。この時は吐き気は多少納まっていましたかねぇ。しかし「さて、もう帰りますか」ということになり、駐車場へ向かう途中でゲゲゲしてしまいました……。もう胃液も出しきって何も残ってないと思ったんですが、泡が出てきてびっくりでした(苦笑)　いや、もうあかんやろ、コレ。
　そんな状態でしたので、帰りの車中は去年同様くたばっていました。
　お互い完走して「いやぁ～、楽しかったですねぇ」といったトークをしたかったんですけどねぇ……。ほんま悲しい……。

 でもまだ去年の方がダメージが大きかったですね。今回は道の駅に立ち寄った際にはお土産(上の写真の栃餅とよもぎ餅を買いました。とろかわの恋は参加賞)を買うぐらいの元気は残っていましたから。

　さてさて、いっちーさんと晩飯を食べたかったのですが、吐き気がおさまらないので大人しく帰宅。自宅到着は午後８時前でしたっけね。帰宅してすぐに着替えて横になっていました。結局吐き気がおさまったのは日付が変わった頃。ここでようやく冷蔵庫にあったスイカと柿を数切れを食べて晩飯は終了(笑)　そして風呂に入り、その後就寝となったのでした。
　いやぁ、長い一日だった……。

　という訳で、以上が村岡ダブルフルの備忘録となります。
　この「その③」に関しては八割程「ゲゲゲ」のことしか書いていませんでしたね。
　これじゃ村岡の魅力を伝えられてないよ、トホホ……。
　来年は体調万全の状態で走って、元気にゴールして「楽しかったぜ！　ひゃっは～！」といったブログを書こうと思います(笑)

　最後に大会を運営してくれた関係者の皆様に感謝！
　暖かい応援をくれた地元村岡の方々に感謝！
　応援に来てくれたKATSUさん、シュピさんに感謝！
(※KATSUさんとシュピさんには回収バスからリタイヤしたことを電話で伝えました。伝えなかったら今もまだ二人は蘇武岳登山口付近で待ってくれていたかもしれません・笑)

　そして大会中にお会いしたラン友の皆さんに感謝です！！

　ありがとう、村岡！　また来年！！！